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【大腸レポート Vol.2】
なぜ今、 『大腸活』が注目されるのか

「大腸」は消化されたものが排出される前に通る最後の器官であり、その内容物はほぼ老廃物です。健康な大腸腸管内では、ムチン層といわれる粘液がしっかりと腸管壁を守っていますが、老廃物の中には体に有害な物質も多く含まれるため、同じ腸でも全身の約7割の免疫細胞が集まる小腸に比べ、非常に病気になりやすい器官と言えます。

日本人に忍び寄る「大腸劣化」のリスク

 「大腸」に注目が集まる背景として、日本人に大腸がんや潰瘍性大腸炎など、大腸に関わる重篤な病気の増加が挙げられます。日本人の大腸がんの死亡率は50年前に比べて、男性は約8倍、女性は約6倍となり、女性の部位別がん死亡原因の1位、男性では3位となるなど、深刻な状況におかれているといえるでしょう。


日本の大腸がん、炎症性大腸疾患の患者は、ともに大幅に増加してきた

「大腸劣化」の大きな原因の一つが「食生活」の偏り。現代日本人の日々の食事は知らず知らずのうちに「●●過ぎる」状態になってしまいがちです。多くの人が陥りがちな3つの「●●過ぎ」を挙げてみましょう。

➀タンパク質の摂り過ぎ
筋肉の必要性が説かれ、肉や魚、大豆などの食品以外にも、プロテインドリンクやバーなどを積極的に取る人が増えています。タンパク質は身体を構成するために欠かせない栄養素ですが、過剰な摂取は大腸に棲む悪玉菌のエサの供給源になってしまいます。

②動物性高脂肪の摂り過ぎ
タンパク質同様、脂肪も悪玉菌のエサの供給源となります。
同時に、タンパク質や高脂質過多の食事を摂り続けると大腸内の環境がアルカリ性に傾き、善玉菌と呼ばれる腸内細菌が棲みにくい状態になります。

③炭水化物の抜き過ぎ
ロカボ食と呼ばれ、ダイエットのカテゴリーとしてすっかり定着した感のある低糖質食。ごはんやパンなどの炭水化物抜きダイエットとイコールに語られることも多いのですが、実は「炭水化物=糖質+食物繊維」。炭水化物を抜くということは、食物繊維も減らしてしまう可能性があります。

“食物繊維と良いお通じ”の関係は昔から言われてきましたが、食物繊維には2つの種類があり、それぞれに働きが異なることはあまり知られていません。1つ目が便の材料となり、大腸内の不要物を絡め取ってスムーズな排出へ導く役目を果たす、不溶性食物繊維の働きで、キャベツや葉物野菜などに多く含まれます。

もう1つがビフィズス菌など大腸に棲む有用菌のエサとなって代謝産物を生みだし、健康に寄与すると近年注目される水溶性食物繊維の働きです。水溶性食物繊維はチコリの根や菊芋等に多く、海藻類や穀類、アボカド、キウイ、ゴボウ等にも含まれます。

近年の日本人の食物繊維不足の大きな原因は、野菜不足だけでなく、海藻類や穀類の摂取量が減ってきたことにも問題があると考えられており、「糖質制限=炭水化物制限」と誤解されたダイエットの結果、腸内環境が乱れ、大腸の機能低下や炎症・疾病の原因となる「大腸劣化」が起こる可能性が指摘されています。

大腸の劣化だけでは済まない、「大腸劣化」の本当のリスク

「大腸劣化」は、前述の通り大腸の健康に大きなダメージとなります。しかし、健康へのリスクはこれだけに留まりません。大腸と脳の密接な関わりが科学的に立証されて話題になった「脳腸相関」のように、大腸内の環境は全身の健康を大きく左右する可能性があります。

「大腸劣化」の大きな要因とされるのは、大腸内の「短鎖脂肪酸」の不足です。
「短鎖脂肪酸」は、ビフィズス菌や酪酸菌など大腸の有用菌が水溶性食物繊維をエサとして産み出す物質で、「酢酸」「酪酸」「プロピオン酸」などがあります。「短鎖脂肪酸」は「抗炎症作用」や「全身のエネルギー源」になること、さらには「痩せ体質に導く」というエビデンスも発表され、注目されています。

さらに「短鎖脂肪酸」が増えることで大腸内の環境が有用菌の好む酸性に傾くため、アルカリ性を好む有害菌が弱り、有用菌が増えやすくなることも大きな役割の一つです。

「短鎖脂肪酸」は、このように大腸内の環境を整える重要な役割を担うだけでなく、全身の健康に関わる物質と言えます。「短鎖脂肪酸」を産生・活性化するためには、『大腸活』をしてビフィズス菌や酪酸菌などの有用菌と、エサとなる水溶性食物繊維を大腸内に増やすように意識することが大切と言えるでしょう。

【参考情報】
難病情報センター「特定疾患医療受給者証所持者数」 
http://www.nanbyou.or.jp/entry/62
http://www.nanbyou.or.jp/entry/81

国立がん研究センター がん情報サービス
https://ganjoho.jp/


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人生100年時代を迎える、“いかに健康を保ち豊かな人生を送るか”が大きな課題となる中、年齢に抗うのではなく《毎日をいきいきと暮らし、上手に年齢を重ねる》ことを目指す『ウエルエイジング』という考え方に共感が集まっています。
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